看護師の離職率|設置主体15区分と病床規模6区分で読む

コロ助

看護師の離職率として広く出回っている数字は、全国の病院をひとまとめにした1つの値です。同じ調査は、その内側を設置主体と病床規模で割った表も載せています。

2024年度の正規雇用看護職員の離職率は、設置主体の15区分で7.3%から14.4%まで開いていました。病床規模の6区分では、10.0%から13.1%までです。

どの県が高いか、どの病院が高いかという順位づけは、本記事では引き受けていません。

編集部に看護職はいません。コロ助は医療の有資格者ではなく、本記事で扱えるのは公表された表の数字と、その数え方の説明までです。

離職率の3つの系列を縦に並べ、列をまたいだ比較ができないことを示した模式図

設置主体で分けると、正規雇用の離職率は7.3%から14.4%まで開きます

日本看護協会の病院看護実態調査は、全国の病院に看護職員の離職率を尋ね、結果を設置主体別にも公表しています。正規雇用の列の分母は、年度当初と年度末の在籍職員数を平均した数で、対象はフルタイムと短時間勤務の正規雇用職員です。新卒採用者と既卒採用者の列は、その年度に採用した人数が分母です。2024年度の値は次のとおりです。

設置主体(表の並び順) 正規雇用 新卒採用者 既卒採用者
国立 9.6% 7.2% 12.1%
公立 8.0% 8.1% 9.1%
日本赤十字社 8.7% 5.6% 9.5%
済生会 11.3% 9.9% 13.3%
厚生連 9.6% 5.7% 10.4%
その他公的医療機関 13.9% 4.3% –
社保関係団体 10.0% 8.1% 6.8%
公益社団・財団法人 13.0% 9.6% 16.3%
私立学校法人 11.2% 8.0% 12.8%
医療法人 14.0% 10.3% 18.1%
社会福祉法人 12.3% 11.2% 17.0%
医療生協 14.4% 10.9% 18.4%
会社 7.3% 5.5% 4.2%
その他の法人 11.5% 9.7% 14.9%
個人 9.5% 2.4% 22.1%
無回答・不明 13.0% 9.5% 22.7%

(表題は「設置主体別・看護職員〈保健師・助産師・看護師・准看護師〉の離職率」。公益社団法人日本看護協会「『2025年 病院看護実態調査』結果」2026年3月31日公表のニュースリリースによる。区分名と並びは資料の表記のまま。原典の表は全国計を含む17行で、本記事は計を省いた16行。末尾の「無回答・不明」は設置主体ではないため数に入れず、区分は15と数えた(「その他」を冠する2行は資料が立てた区分なので含む)。2026年9月22日に編集部がPDFの本文を取得し、問いの形を変えて2回照会して値の一致を確かめた)

15区分のうち、正規雇用がいちばん低いのは会社の7.3%、いちばん高いのは医療生協の14.4%です。公立の8.0%は2番目に低い値で、いちばん低い区分ではありません。

医療法人の行は、1,875病院の回答から算出されています。ほかの区分の回答病院数は、本記事では1回しか読み取っておらず載せていません。回答した病院が少ない区分では、1施設の動きが値を大きく動かします。

病床規模で分けると、正規雇用と新卒は下がり、既卒は途中で止まります

同じ調査は、病床規模でも離職率を割っています。いちばん上の「計」の行が、全国をひとまとめにした値にあたります。

病床規模 正規雇用 新卒採用者 既卒採用者
計 11.0% 8.4% 16.1%
99床以下 13.1% 13.8% 19.0%
100〜199床 12.6% 11.3% 18.0%
200〜299床 11.3% 8.8% 14.4%
300〜399床 11.1% 8.3% 14.4%
400〜499床 10.1% 8.2% 14.5%
500床以上 10.0% 7.6% 13.1%
無回答・不明 13.5% 16.7% 36.0%

(同じリリースの病床規模別の表。計と無回答・不明を除く6つを区分と数えた。2026年9月22日に同じ方法で値の一致を確かめた)

正規雇用は13.1%から10.0%へ、新卒採用者は13.8%から7.6%へ、規模が大きくなるほど下がり続けます。既卒採用者は違います。200〜299床が14.4%、300〜399床が14.4%、400〜499床が14.5%と、中間の3つの階級でほぼ平らになります。

規模が小さいほど高いという並びは、正規雇用と新卒では最後まで成り立ち、既卒では途中で止まります。3つの列をまとめて「規模が大きいほど下がる」と要約することはできません。

千葉県内の病院が許可病床数でどう分かれているかは、県内の病院を許可病床数の階級で数えた表にあります。階級の切り方はこの調査と違うので、施設数をこの表の行に当てはめることはできません。

同じ列の中でだけ比べられます

この表を使うときに外せない読み方が3つあります。

  1. 縦の列の中でだけ比べる — 3つの列は数え方の分母が別々で、横に並べて差や倍率を出すことはできません
  2. 「-」を0%と読まない — その他公的医療機関の既卒採用者の欄には、数値ではなく「-」が置かれています
  3. 「無回答・不明」の行を他の区分と同じに扱わない — 設置主体でも病床規模でもなく、答えが返ってこなかった分をまとめた行です

3つの値を横に並べて引き算することは、分母が違うためできません。

2つ目の「-」については、この記号の意味を説明した注記に、本記事は行き当たっていません。答えがなかったのか、集計できなかったのかは、資料の側から決まりません。

3つ目の行は、既卒採用者で22.7%、病床規模のほうでは36.0%という値が付いています。ほかの行と同じ列に並べて読むと、いちばん高い区分を取り違えることになります。

離職率の表から分かるのは区分ごとの値までで、あなたの応募先がどうかは出てきません。そこは応募先から示される労働条件の確かめ方の側で、書面に書かれた項目として確かめる部分です。

千葉県の病院名簿の区分は、この表の設置主体名と一致しません

千葉県の病院名簿は、284施設の開設者を6つの区分に分けています。このうち医療法人以外は68施設で、残る5区分の内訳は次のとおりです。

名簿の開設者区分 施設数
国 11
公立 30
公的 2
その他 24
個人 1
計(医療法人以外) 68

(千葉県の病院名簿284施設の開設者区分を編集部が数えた集計として、2026年9月17日付で記録されている値。原典は千葉県健康福祉部医療整備課「令和8年度 病院名簿」2026年4月1日現在)

県の名簿が「公的」とまとめている2施設が、調査の表のどの行に入るかは、名簿の側からは決まりません。調査のほうは日本赤十字社・済生会・厚生連・その他公的医療機関を別々の行として持っているからです。

「その他」の24施設も同じです。調査の表には、公益社団・財団法人、私立学校法人、社会福祉法人、医療生協、会社、その他の法人が別々の行として並んでいます。名簿の1つの区分がどこへ散るかは、どちらの資料にも書かれていません。

全国の離職率と千葉県の施設数は別々の資料の数で、掛け合わせて県内の離職者数を作ることはできません。千葉県内で開設者の区分が地域によってどう偏るかは、医療法人以外の病院が圏域でどう偏るかで扱っています。

編集部は、離職率の低い区分を選ぶことを職場選びの基準として勧めません。区分は病院の持ち主を表すだけで、あなたが配属される病棟の人数も勤務表も決めていないからです。

求人票に離職率の欄があるとは限りません。表を読むだけなら、登録はいりません。

検索の上位に並ぶ11.3%は、1つ前の調査の値です

2026年9月22日に上位10件の見出しを取り出すと、のべ190件ありました。このうち11.3%という値を見出しに置いているページは4件で、11.0%を置いているページは0件です。

11.3%と8.8%は1つ前の調査の値で、本記事が引いた2025年調査では11.0%と8.4%になっています。取り出せたのは見出しの文字列までで、各ページが本文で何年の調査を引いているかまでは追っていません。

よくある質問

看護師の離職率が高いのはどんな病院ですか?

公表されている表から分かるのは区分ごとの値までで、個別の病院は分かりません。2024年度の値では、設置主体の15区分のうち医療生協14.4%・医療法人14.0%が高い側、会社7.3%・公立8.0%が低い側でした。病床規模の6区分では、99床以下の13.1%がいちばん高い階級です。いずれも正規雇用の列の中での比較です。

離職率の低い病院を選べば、長く働けますか?

区分ごとの値は、その区分に入る病院をまとめて計算したもので、1つの病院の働きやすさを示すものではありません。編集部は、この表を応募先の選別に使うことを勧めません。

まとめ

  • 2024年度の正規雇用看護職員の離職率は、設置主体の15区分で7.3%(会社)から14.4%(医療生協)まで開いています
  • 病床規模では、正規雇用と新卒採用者は規模が大きいほど下がり続け、既卒採用者は中間の3つの階級で14.4%・14.4%・14.5%とほぼ平らになります
  • 千葉県の病院名簿の開設者区分は、この調査の設置主体名と対応しないため、県内の施設数を表の行に割り当てることはできません

本記事は公表された表の読み方までで、勤め先や応募先の個別の事情には立ち入っていません。労働条件や退職について決める前に、公的な相談窓口で確かめてください。

この表の行に、あなたの勤め先は載っていません。載っているのは、同じ区分に入る病院を全部まとめた1つの値です。


参考・出典

  • 公益社団法人日本看護協会「『2025年 病院看護実態調査』結果」(ニュースリリース、2026年3月31日公表。設置主体別・病床規模別の離職率と、病床規模別の「計」の行) https://www.nurse.or.jp/home/assets/20260331_nl01.pdf (2026年9月22日に編集部がPDFの本文を取得し、設置主体別・病床規模別とも問いの形を変えて2回照会して確認した。算出式と区分の数は2026年9月24日に同じ方法で取り直した)
  • 千葉県健康福祉部医療整備課「令和8年度 病院名簿」(2026年4月1日現在。開設者区分) https://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/sidou/documents/r8byouinmeibo.xlsx (284施設を開設者区分で数えた集計として2026年9月17日付で記録されている値を転記した)
  • 検索上位10件の見出しの抽出(ラッコキーワードMCP。2026年9月22日に編集部が実行)
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