「病院以外」は、法律が置いている区分ではありません。医療法は「病院」と「診療所」を、入院させる患者の数で分けているだけです(同法1条の5)。その外側をひとまとめにした定義は、本記事が開いた条文には出てきません。
だから、外側に何があるかを知るには、施設の種類ごとに別の法律を開くことになります。この記事は職場の名前を並べず、その職場を定義しているのがどの法律かで並べ直します。
医療法は「病院」を入院させる人数で区切っています
線がどこに引かれているかを先に見ます。医療法1条の5の第1項は、次のように書いています。
この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
(医療法1条の5第1項の前段。2026年9月22日に、法令APIのv1とv2へ別々の問いを投げ、返った文面を1文ずつ突き合わせた)
同じ条の第2項は、同じ場所のうち、入院の施設を持たないものと19人以下の施設を持つものを「診療所」と呼んでいます。境目になっているのは、20という人数だけです。
ここで読み違えやすい点が1つあります。この条は施設の呼び名を決めるものであって、そこで働く人の職種や仕事の中身を決める条文ではありません。
そして、この線の外側には診療所も入ります。入院のベッドを持たないクリニックへ移ることも、条文の上では「病院以外」に当たります。
外側は1つの区分ではなく、法律ごとに分かれています
2026年9月22日に、この検索語の上位10件の見出しを編集部が取得しました。見出しが取れたのは8件で、うち4件がh1に行き先の数を掲げています。数は7・7・10・13で、上位の中でも数え方が割れていました。
取れた見出し94本のうち、法令名や条番号が入っていたものはありません。数えたのは見出しの文字列までで、8件の本文は開いていません。
数が割れるのは、外側が1つのまとまりではないからです。医療法は、自分の外にある施設をいくつか名指ししています。同法1条の6は、介護老人保健施設と介護医療院を「介護保険法の規定による」施設だと書き、定義の本体を別の法律へ渡しています。
医療法が名指ししない場所もあります。保育所は児童福祉法7条1項が並べる児童福祉施設の1つで、医療法の中に定義はありません。
| 職場の呼び名 | 定義を置いている法律 | 条 |
|---|---|---|
| 病院・診療所 | 医療法 | 1条の5第1項・第2項 |
| 介護老人保健施設・介護医療院 | 医療法が介護保険法へ渡している | 医療法1条の6第1項・第2項 |
| 保育所 | 児童福祉法 | 7条1項 |
(条番号は2026年9月22日に編集部が法令APIで確認したもの。表の3行の並べ方は編集部の整理で、法令がこの3行を1つの分類として置いているわけではありません)
児童福祉法7条1項が並べているのは13の施設で、保育所はその4番目に出てきます。乳児院や障害児入所施設も、同じ1項の中にあります。ふだん「保育園」と呼ばれる場所は、条文の上では「保育所」で、医療法ではなく児童福祉法の側にあります。
なお、ここに並べた3つはどれも医療と福祉の施設です。応募資格に免許が出てこない働き口は、この表の外側にあります。

定義する法律が変わると、公表される資料も変わります
職場の種類が変われば、外から確かめられる資料も変わります。介護の事業所には、介護保険法115条の35という条文があり、見出しは「介護サービス情報の報告及び公表」です。
その第1項は、介護サービスを提供しようとする事業者に報告の義務を置いています。報告するのはサービスの内容と運営状況に関する情報で、相手は事業所の所在地を管轄する都道府県知事です。千葉県内の事業所なら、報告の相手は千葉県になります。同じ条は全部で7項あり、公表の手順を定めた項まで本記事は当たっていません。
病院の側はどうでしょうか。千葉県は年度ごとに、県内の病院を集めた名簿を公表しています。ただしそれは医療法1条の5第1項の病院の名簿で、診療所も介護の事業所も保育所も載っていません。
1枚の名簿で「病院以外」を数えることはできません。数えるなら、法律ごとに別の資料を開くことになります。編集部は、職場の名前で候補を絞る前に、定義している法律を1度だけ確かめることを勧めます。
看護の現場に立った経験は、この媒体の側にありません。持っているのは、条文と公表資料を開いて、書いてある範囲と書いていない範囲を分ける作業の手だけです。
求人を読むときは、上のどの法律の施設に当たるかを先に確かめてください。種類を決める前に登録しても、確かめる相手が増えるだけです。
場所の種類で決まること、決まらないこと
場所の種類は、何もかもを決めるわけではありません。決まるものと決まらないものを分けておきます。
| 論点 | 場所の種類で決まるか | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 派遣で働けるか | 決まる | 就業の場所を挙げた政令 |
| 夜勤があるか | 決まらない | 募集ごとの勤務の形 |
| 給与の水準 | 決まらない | 募集の金額の欄と公表資料 |
派遣で働けるかどうかは、場所の種類で決まります。政令が就業の場所を挙げて範囲を絞っているためで、その中身は場所の種類ごとに派遣の可否を条文で分けた記事にあります。千葉県内の施設の数も、そちらで数えています。
夜勤のほうは、場所の種類では決まりません。病院の中にも夜勤のない部署があり、病院以外にも夜勤のある職場があります。本記事が引いた条文には、施設の種類ごとに夜勤の有無を決める定めは出てきません。
夜勤を外すかどうかを先に決めたいなら、職場を移らずに勤務の形を変える選択肢が近い話になります。金額の側は夜勤のない働き方の金額を公表値でそろえた記事に分けてあります。
よくある質問
看護師の「病院以外」には何が含まれますか?
法律に「病院以外」という区分はないため、含まれる範囲は数え方で変わります。医療法1条の5第1項の病院に当たらない場所はすべて外側で、入院のベッドを持たないクリニックもここに入ります。介護老人保健施設と介護医療院は同法1条の6が介護保険法へ渡し、保育所は児童福祉法7条1項の児童福祉施設に並んでいます。
病院以外なら夜勤はありませんか?
場所の種類だけでは決まりません。本記事が引いた条文には、施設の種類ごとに夜勤の有無を決める定めが出てこないためです。夜勤があるかどうかは、募集ごとの勤務の形で確かめてください。
病院以外の職場は、どこで調べられますか?
職場の種類によって窓口が分かれます。介護の事業所は介護保険法115条の35が都道府県知事への報告を定めており、病院は千葉県が公表する病院名簿に載ります。保育所については、本記事は公表の仕組みまで当たっていません。
まとめ
- 医療法1条の5は、入院させる患者が20人以上なら「病院」、19人以下または入院の施設を持たないものを「診療所」と呼んでいます
- その外側は1つの区分ではありません。介護老人保健施設と介護医療院は同法1条の6が介護保険法へ渡し、保育所は児童福祉法7条1項が定義しています
- 定義する法律が変われば、確かめられる公表資料も変わります。介護の事業所については、介護保険法115条の35が都道府県知事への報告を定めています
制度の個別の当てはめは、本記事の書ける範囲の外にあります。施設の種類や資格の扱いで迷ったときは、都道府県の担当窓口や専門家に確かめてください。
「病院以外はどこか」という問いは、法律の側では「どの法律の施設か」という問いに置き換わります。置き換えたあとの問いになら、条文と公表資料で答えが出ます。
参考・出典
- e-Gov法令検索「医療法」(昭和23年法律第205号)1条の5・1条の6 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 (2026年9月22日に、法令APIのv2とv1という2つの版から、条ごとに別々の問いで本文を取得して突き合わせた。食い違いは0件)
- e-Gov法令検索「児童福祉法」(昭和22年法律第164号)7条1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 (同日・同じ2つの版から、列挙された施設の名称と順序を別々の問いで確かめた。食い違いは0件)
- e-Gov法令検索「介護保険法」(平成9年法律第123号)115条の35 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 (同日・同じ2つの版から、見出し・項数・報告先を別々の問いで確かめた。食い違いは0件)
- 検索結果の実測(ラッコキーワードMCP。2026年9月22日に編集部が、「看護師 転職 病院以外」の上位10件のh1とh2を取得した)

