看護師の転職は40代で難しい?年齢制限が認められる場合

コロ助

求人に年齢の条件を付けてよい場合は、法律の本体ではなく省令のほうが決めています。省令が挙げているのは3つの号で、それ以外の募集では、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることが求められます。

40代の応募が形として対象から外れるのは、3つのうち1つの中に置かれた細目のイとニの前半です。

どの募集が受かりやすいかという見立ては、この記事では出しません。

年齢を条件にできる場合と、それ以外の募集を左右に分けた模式図

上位に並んでいたのは、求人を扱う会社が書いた記事でした

2026年9月22日に「看護師 40代 転職 難しい」で上位10件の見出しを取りました。10件のうち9件は、看護職の求人や人材紹介を扱う会社が運営するサイトの記事で、残る1件は利用者どうしのQ&Aです。行政機関や公的な団体のページは入っていませんでした。

大見出しを取り出せたのは9件で、そのうち6件が「難しい」または「むずかしい」という語を大見出しに置いています。一方、法令名や条番号を含む見出しは、大見出しと中見出しをあわせた106件の中に1件もありませんでした。

運営主体の種類は、各サイトの表示から編集部が分けたものです。数えたのは見出しの文言と件数までで、10件の本文は読んでいません。1件はページの中身そのものを取得できませんでした。

医療の国家資格を、この記事の書き手は一つも持っていません。扱えるのは、募集を出す側に向けて書かれた定めと、その文言の範囲までです。

年齢の条件を付けてよい場合は、法律ではなく省令が決めています

出発点は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)の9条です。条の見出しは「募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保」。事業主に対し、募集と採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることを求めた条です。

ただし9条は、その義務がかかる「とき」を厚生労働省令に預けています。どの募集で年齢を条件にできるのかは、9条だけを読んでも決まりません。

預け先が、同法の施行規則1条の3です。条の見出しは9条と同じで、1項が「とき」を、2項が募集に当たって明示する事項を定めています。

省令は、認められる場合を「以外のとき」という形で書いています

1項の柱書と、はじめの2つの号は次のとおりです。

法第九条の厚生労働省令で定めるときは、次の各号に掲げるとき以外のときとする。
一 事業主が、その雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをしている場合において当該定年の年齢を下回ることを条件として労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。
二 事業主が、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)その他の法令の規定により特定の年齢の範囲に属する労働者の就業等が禁止又は制限されている業務について当該年齢の範囲に属する労働者以外の労働者の募集及び採用を行うとき。
(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則1条の3第1項。2026年9月22日に、条の全文を求める尋ね方と、号の数と各号の本文だけを求める尋ね方の2通りで取得し、返ってきた文字列がそろうことを確かめた)

間違えやすいのは、柱書が「以外のとき」と書いているところです。各号に並んでいるのは9条の義務がかかる場面ではなく、かからない場面のほうです。

1号は、定年を定めている事業主が、その定年の年齢を下回ることを条件にする場合を指します。定年が60歳や65歳で置かれていれば、40代はその年齢を下回っています。

2号は、他の法令が特定の年齢層の就業を禁じたり制限したりしている業務の場合です。本記事は個々の当てはめには踏み込みません。

4つの細目のうち、40代が対象から外れる形はイとニの前半です

3号は、年齢による制限を必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限である場合として、イからニまでの4つを並べています。

細目 条文が目的として挙げているもの 条文が付けている限定
イ 長期間の継続勤務による、職務に必要な能力の開発及び向上 期間の定めのない労働契約を結ぶこと/職業に従事した経験を求人の条件としないこと/学校・専修学校などを新たに卒業しようとする者として、または同等の処遇で募集すること
ロ 特定の職種の業務に必要な技能と、これに関する知識の継承 その年齢の範囲の労働者が相当程度少ないものとして厚生労働大臣が定める条件に適合すること/期間の定めのない労働契約を結ぶこと
ハ 芸術又は芸能の分野における表現の真実性等の確保 編集部が取り出した範囲に、括弧書きの限定は付いていません
ニ 高年齢者の雇用の促進、または特定の年齢の範囲の労働者の雇用の促進 高年齢者は六十歳以上の者に限ること/後者は、その年齢の範囲の労働者の雇用の促進に係る国の施策を活用しようとする場合に限ること

(同項3号イからニまでについて、目的にあたる部分と限定にあたる部分を編集部が抜き出したもの。細目の逐語は引用していない。同じ日に2通りの尋ね方で取り出したところ、ニの括弧の書き方だけがそろわなかったため)

40代の応募が形として外れるのは、イとニの前半に当たる募集です。イには限定が3つ付いていて、その1つが「職業に従事した経験を求人の条件としない」ことです。経験のある人を求める募集は、この限定を満たしません。

ニの前半が集めるのは六十歳以上の高年齢者で、40代はその年齢に届きません。ロとハ、ニの後半は年齢の範囲が条文になく、上限を切る形だとは決まりません。

年齢で絞らない募集では、示すことになっている項目があります

同条の2項は、9条に基づいて募集と採用を行うときに事業主がすることを定めています。

事業主は、法第九条に基づいて行う労働者の募集及び採用に当たつては、事業主が当該募集及び採用に係る職務に適合する労働者を雇い入れ、かつ、労働者がその年齢にかかわりなく、その有する能力を有効に発揮することができる職業を選択することを容易にするため、当該募集及び採用に係る職務の内容、当該職務を遂行するために必要とされる労働者の適性、能力、経験、技能の程度その他の労働者が応募するに当たり求められる事項をできる限り明示するものとする。
(同条2項。同じ日に、項の数を尋ねる形と全文を求める形の2通りで取り出し、双方の文字列が一致した)

条文が名指ししているのは、職務の内容と、その職務に必要とされる適性・能力・経験・技能の程度です。年齢の欄が無い募集で、代わりに置かれることになっているのがこれらにあたります。

ただし語尾は「できる限り明示するものとする」です。書かれていない募集があったとして、この条文だけで違反と決まるわけではありません。

書き手は、採用する側で中途の選考に関わっていた時期があります。そのときに応募資格の欄を読む順番は、年齢からではありませんでした。先に見ていたのは、上の項目がどこまで書かれているかのほうです。

**編集部は、年齢の欄だけを見て応募を取りやめることを勧めません。**取りやめた応募は、どこにも数えられないためです。

千葉県の資料が写しているのは、募集が出る前の段階です

千葉県について当メディアが開けるのは、県が公表している病院の名簿と、賃金の統計です。どちらも、募集が出る前の施設の姿を写した資料です。

募集の文面はこの2つに入りません。年齢の条件がどう書かれているかを確かめる先は、募集を出している側になります。

求人票の応募資格の欄も、上の条文と照らして読んでください。年齢の条件の読み方が決まらないうちは、登録の段へ動かなくて構いません。

よくある質問

看護師の転職は40代になると難しくなりますか?

難しくなるかどうかを、本記事は判定しません。確かめられたのは、募集で年齢を条件にできる場合が省令の3つの号に限られていることと、40代の応募が形として外れるのは3号のイとニの前半だということの2つです。ある募集がどの号に当たるかは、募集ごとに違います。

「40歳未満」と書かれた求人は違法ですか?

その求人が違法かどうかは、ここでは判断できません。省令1条の3第1項の各号のいずれかに当たる募集では、年齢を条件にすることが認められる形があるためです。当たるかどうかは編集部の手元では確かめられないので、募集を出している側か、公的な窓口で尋ねてください。

50代になると扱いは変わりますか?

本記事は40代だけを見ており、50代について別の条文を当ててはいません。省令1条の3は年齢の層ごとに条を分けていないため、ここまでの読み方はそのまま当たります。

まとめ

  • 募集と採用で年齢を条件にできるのは、施行規則1条の3第1項の各号に当たるときだけで、それ以外の募集には年齢にかかわりない均等な機会を与えることが求められます
  • 40代の応募が形として外れるのは3号イとニの前半です。イに付いている限定は「期間の定めのない労働契約」「職業に従事した経験を条件としない」「新たに卒業しようとする者と同等の処遇」の3つです
  • 年齢で絞らない募集では、職務の内容・適性・能力・経験・技能の程度を、事業主ができる限り明示することになっています(同条2項)

ここに置いたのは、省令の文言と、それが事業主に向けて書かれているという事実までです。ある募集が各号に当たるかどうかの判断は、編集部にはできません。厚生労働省の窓口か、ハローワークで尋ねてください。

年齢で線を引ける募集は、省令が挙げた形に限られています。限られていることを知らないまま応募を減らすと、減らしたぶんは誰にも数えられません。


参考・出典

  • e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」1条の3第1項・第2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/341M50002000023 (2026年9月22日に、法令APIのv2とv1という2つの版へ、それぞれ尋ね方を変えて照会し、柱書・1号・2号・2項の文字列がそろうことを確かめた)
  • e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(昭和41年法律第132号)9条 https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132 (同日に、条の見出し・項数・「年齢にかかわりなく」の語の有無を尋ねて確認した。本記事は逐語を引用していない)
  • 検索結果の見出し抽出(ラッコキーワードMCP。2026年9月22日に編集部が「看護師 40代 転職 難しい」の上位10件について、大見出しと中見出し、および運営主体の表示を取得した)
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