看護師の転職の志望動機|応募先の公表資料から組み立てる

コロ助

志望動機の欄で効くのは、文章の型ではありません。応募先について自分で確かめた事実が、1つでも入っているかどうかです。

確かめられる事実は、応募先の側が制度にしたがって公表しています。病床の種別も、診療科目も、入院料の届出も、誰でも開ける資料に載っています。

この記事に例文は載せません。代わりに、どの資料のどの欄を開き、そこから自分の経験へどうつなぐかを順に書きます。

志望動機は、応募先について確かめたことを書く欄です

志望動機とは、数ある応募先のうちなぜここを選んだのかを、応募する側の言葉で示す欄のことです。様式が法令で決まっている書類ではないため、欄の大きさも呼び名も応募先ごとに違います。

この欄が埋まらないとき、原因は2つに分かれます。応募先について調べた量が足りないか、自分がやってきたことを言葉にしていないかです。

前者は資料で埋まります。後者は、前者が埋まってから形になります。順番が逆になると、どの病院にも出せる文にしかなりません。

公表されている事実と自分の経験を志望動機の欄でつなぐことを示した模式図

応募先の情報は、医療法が公表させています

病院が自分のことを公表しているのは、親切だからではありません。医療法6条の3第1項が、病院等の管理者に報告を義務づけているためです。報告する中身は、病院等の選択を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定める事項で、報告先は所在地の都道府県知事です。

報告を受けた側にも条文が置かれています。

都道府県知事は、第一項又は第二項の規定による報告を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その報告の内容を厚生労働大臣に報告するとともに、公表しなければならない。
(医療法6条の3第5項。2026年9月22日に、同じ条を3回、別々の問いで取り出して文面を合わせた)

公表は義務です。あなたが応募先を調べられるのは、この条文が置かれているからであって、病院の好意によるものではありません。公表先は、厚生労働省の「医療情報ネット(ナビイ)」と各都道府県のページになります。

ただし条文が想定しているのは、医療を受ける者が病院等を選ぶ場面です。働く側が職場を選ぶために用意された制度ではありません。目的の違う資料を、こちらの目的で読み替えて使っている、という自覚は持っておいてください。

報告事項の中身を定めているのは厚生労働省令で、本記事はその条番号まで当たっていません。人員に関する項目が入るかどうかも確かめていないため、「看護職員の人数が載っている」とは書きません。

公表資料のどの欄が、志望動機の材料になるか

応募先1施設について開ける資料を並べます。3つとも、登録も申込みもなしで見られます。

開く資料 公表している主体 そこから言えること
医療機能情報(医療情報ネット) 都道府県知事(医療法6条の3第5項) 名称・開設者・管理者・所在地・診療科目・診療日・診療時間・病床の種別と届出許可病床数
病床機能報告 都道府県(千葉県は医療整備課) その病院の病棟が、高度急性期・急性期・回復期・慢性期のどれを報告しているか
施設基準の届出受理状況 地方厚生局(千葉県は関東信越厚生局) 入院料のどの区分で届け出ているか。看護職員の配置はこの区分に結び付いている

3つとも、応募先が自分で書いた紹介文ではありません。制度にしたがって届け出た内容が、そのまま並んでいます。

編集部が保有する千葉県の医療機関データには、救急の受け入れに関する区分の列もあります。ただし求人票に出てくる「二次救急」という言い方と、この列の値は別のものです。編集部は、2つを同じものとして扱っていません。

入院料の区分が何を縛っているかは届出の区分が夜勤の総量を縛っていることで扱いました。区分は、配置される看護職員の数だけでなく、1か月の夜勤時間の数え方にもつながっています。

確かめた事実を、自分がやってきたことにつなぐ

資料を開いただけでは志望動機になりません。欄の値と自分の経験を、1対1で結ぶところまでやります。

  1. 資料から、その応募先だけに当てはまる事実を1つ選ぶ。「急性期」で止めず、どの区分で届け出ているかまで降ります。降りるほど、他の病院に流用できない事実になります
  2. **その事実が、日々の働き方のどこに出るかを書く。**病棟の機能が違えば、受け持つ患者の状態も、退院までの流れも変わります
  3. **自分が同じ場面で何をしてきたかを足す。**担当した病棟、扱った患者層、任された役割。ここは資料ではなく、あなたの側にしかありません

3を書けるかどうかで、1と2が生きるかどうかが決まります。逆に3だけを並べると、応募先の名前を差し替えても通る文になります。

例文を借りると、応募先を入れ替えても成立する文になります

2026年9月22日に「看護師 転職 志望動機」の上位10件を開きました。10件とも読ませる記事で、求人の一覧は1件もありません。いちばん上に出ていた見出しは、載せている例文の数を掲げるものでした。

確かめたのは、そのページが記事かどうかと、いちばん上の見出しの文言だけです。10件の中身を読んで比べたわけではありません。

例文が役に立たないとは言いません。ただ、例文はどの応募先にも当てはまるように作られています。当てはまるように作られた文は、応募先の名前を入れ替えてもそのまま成立します。

本記事には、看護の現場を知っている者の判断は入っていません。書いているのは、公表資料を開いて欄を突き合わせる作業をしてきた側です。別の業界で中途採用の書類を読む側に回った経験から、意見を1つだけ置きます。

**入れ替えても成立する文は、読み手にとって情報量が0です。**これは編集部の意見であり、採用する側が実際にどう受け取るかを述べたものではありません。

資料に載っていないことは、書かずに聞く側へ回します

公表資料で埋まるのは、届け出られた事実までです。病棟の雰囲気、教育の進め方、実際の残業時間は、上の3つの資料からは出てきません。

出てこないものを志望動機に書けば、確かめていないことを書いたことになります。確かめていない事柄は、志望動機ではなく質問の側へ回してください。

労働条件そのものは、募集する側が示すことになっています。何がどこまで示されるのかは求人の文面に出てこない条件の扱いにまとめました。

応募先が千葉県内なら、開く資料は3つです

編集部は2026年9月に、千葉県の病院名簿と関東信越厚生局の届出受理状況を、施設名と所在地で1件ずつ突き合わせる作業をしました。別々の資料を結合しないと1施設分の欄がそろわない、というのがそのときに分かったことです。

千葉県で開くのは次の3つです。

  • 県の病院名簿(2026年4月1日現在)
  • 県の病床機能報告(2025年7月1日時点の現状)
  • 関東信越厚生局の施設基準の届出受理状況(2026年9月22日に開いた時点の表記は令和8年8月1日現在)

3つは基準日がそろっていません。基準日の違う欄を1つの文につないで、因果のように書かないでください。「この区分で届け出ているから、この機能を報告している」とは言えません。

届出の欄が空いている病院もあります。空欄は「届け出ていない」ではなく、「その資料に該当する行が見当たらない」までです。時点の違いで結合できなかった病院も、同じ空欄に入ります。

応募先の候補をまだ絞れていない場合は調べる相手を千葉県の一覧から決める入口を先に開いてください。圏域ごとに病院がどう散らばっているかが分かります。

求人票に、上の3つの資料と同じ欄が載っているとは限りません。公表資料の欄と分けて確かめてください。

応募先が1つも決まっていない段階で先に登録しても、確かめる相手が増えるわけではありません。

よくある質問

看護師の転職で、志望動機には何を書けばいいですか?

応募先について自分で確かめた事実と、その事実に対応する自分の経験の2つです。前者は医療機能情報・病床機能報告・施設基準の届出で埋まります。後者は担当した病棟と役割で埋まります。どちらか一方だけだと、他の応募先にもそのまま出せる文になります。

志望動機が思いつかないときは、何から手をつけますか?

文章ではなく資料から手をつけてください。応募先の病床の種別と入院料の区分を1つずつ書き出すと、その病院にしか当てはまらない事実が先に手元に残ります。言葉は、その事実に自分の経験を重ねる段で付いてきます。

履歴書に書く志望動機と、面接で話す志望動機は違いますか?

確かめた事実そのものは、どちらでも同じものを使えます。違うのは分量と、相手がその場で質問を返せるかどうかです。

まとめ

  • 志望動機の欄で効くのは文章の型ではなく、応募先について確かめた事実が1つでも入っているかどうかです
  • 応募先の情報が公表されているのは、医療法6条の3が報告と公表を義務づけているためです。ただし想定されている場面は、医療を受ける者が病院等を選ぶときです
  • 開ける資料は医療機能情報・病床機能報告・施設基準の届出受理状況の3つです。基準日が違うので、欄どうしを因果でつながないでください

本記事が置いたのは、条文の文言と公表資料の範囲までです。個別の応募条件や労働条件については、応募先の窓口か公的機関で確かめてください。

志望動機が埋まらないのは、言葉が足りないからではありません。応募先について確かめた量が足りないだけです。資料を1つ開けば、埋まる欄が1つ増えます。


参考・出典

  • e-Gov法令検索「医療法」(昭和23年法律第205号)6条の3第1項・第5項 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 (2026年9月22日に、法令APIのv2とv1という2つの版へ、問いの形を3回変えて照会し、第1項の文言と第5項の全文を突き合わせた。食い違いは0件)
  • 厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」 https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/znk-web/juminkanja/S2300/initialize (2026年9月22日に編集部が開いて確認)
  • 厚生労働省「医療機能情報提供制度について(医療機関向けページ)」(報告事項として名称・開設者・管理者・所在地・電話番号・診療科目・診療日・診療時間・病床の種別及び届出許可病床数が挙げられている) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35867.html (2026年9月22日に編集部が開いて確認)
  • 千葉県健康福祉部医療整備課 地域医療構想推進室「病床機能報告制度(令和7年)」(2025年7月1日時点の現状/2026年7月1日時点の予定) https://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/byousyoukinou/r7byousyoukinou.html (2026年9月22日に編集部が開いて確認)
  • 関東信越厚生局「保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況及び保険外併用療養費医療機関一覧」(2026年9月22日に開いた時点の表記は令和8年8月1日現在。都県別・届出項目別のファイルが置かれている) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/kijyun.html (2026年9月22日に編集部が開いて確認)
  • 千葉県健康福祉部医療整備課「令和8年度 病院名簿・診療所名簿・歯科診療所名簿」(2026年4月1日現在) https://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/sidou/documents/r8byouinmeibo.xlsx (本記事の執筆時点では開き直していない。編集部が保有する施設マスタの元資料として名称と基準日のみを示した)
  • 検索結果の実測(ラッコキーワードMCP。2026年9月22日に編集部が「看護師 転職 志望動機」の上位10件について、ページの種類と最上位の見出しを取得した)
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