看護師の転職先・応募準備

看護師の職務経歴書の書き方|転職で経歴を制度の語に直す

コロ助

職務経歴書の書き方でつまずく場所は、文章の巧拙ではありません。同じ経験を、何という語で書くかです。

看護の職場には、制度の側であらかじめ決められた語があります。診療科の名前は政令で、入院料の区分と看護職員の配置は届出で決まっています。

この記事に、様式の見本もテンプレートも載せません。あなたの経歴をその語に直していく手順だけを、順に書きます。

職務経歴書の書き方は、様式ではなく語の選び方で決まります

職務経歴書とは、これまでに就いた仕事の中身を、応募先が読める形にまとめた書類のことです。欄の並びも分量も、書類の側では決まっていません。

決まっていないぶん、読む側に届く情報の量は、構成よりも語の選び方で変わります。「急性期の病棟に5年」で止めるか、届け出られていた区分の名まで書くかで、同じ5年が別の情報量になります。

同じ応募で出す履歴書については、免許の欄に使える籍の記録を政令から示した記事があります。姓が変わって免許証の氏名とそろわなくなったときの手続きも、そちらで扱っています。

この記事は、看護の中身ではなく語の話だけをします。病棟で何が起きていたかは、そこにいたあなたにしか書けないからです。

経歴の言い方を制度の側にある語へ書き直すことを示した模式図

公的機関が置いているのは「作り方」の資料で、書式のファイルではありません

ハローワークインターネットサービスに「履歴書・職務経歴書の書き方」というページがあります。2026年9月22日に、同じページを2回、別々の問いで読み直しました。

職務経歴書について置かれていたのは、「職務経歴書の作り方」の全体版と、その別冊ワークブックの2つでした。書式そのもののファイルは、このページには置かれていません。

別冊ワークブックは、自分の職務経歴や能力・長所・強みを整理し、応募先に応じた職務経歴書を作るための補助資料だと説明されています。配られているのは埋める枠ではなく、整理の手順のほうです。

これはこのページを開いて確かめた範囲の話です。ほかの公的機関が様式を示しているかどうかは、編集部は調べていません。

書きがちな言い方には、制度の側に対応する語があります

書き直す対象は4つです。左の言い方はどの病院にも当てはまり、右の語は施設ごとに値が変わります。

よくある言い方 制度の側にある語 その語が置かれている場所
「外科病棟にいました」 政令が定める診療科名 医療法施行令3条の2
「急性期で働いていました」 入院料の区分の名称(届出の単位) 地方厚生局の施設基準届出受理状況
「忙しい病棟でした」 看護職員の配置(入院料の区分に結び付く) 同上
「療養型にいました」 報告された病棟の機能の区分 県の病床機能報告

右の語に直すと、文はむしろ短くなります。その語は応募先の資料にも出てくるため、説明を足さずに済みます。入院料の区分と看護職員の配置がどうつながっているかは、入院料の区分ごとに看護職員の数え方が変わる仕組みで扱いました。

どの種類の職場へ出るかがまだ決まっていないなら応募資格の欄で免許の要否を確かめる記事を先に読んでください。本記事が前提にしているのは、応募する施設がもう決まっている段階です。

ここで1つ言い切っておきます。テンプレートを1枚埋めるより、語を1つ直すほうが早く効きます。これは書類の作り方についての見立てであって、採否の判断について言っているのではありません。

診療科の名前は、病院が名乗れる名称として政令で決まっています

「何科にいたか」は、職務経歴書のいちばん上に書かれることの多い情報です。その科の名前は、それぞれの病院が自由に付けているわけではありません。

法第六条の六第一項に規定する政令で定める診療科名は、次のとおりとする。
(医療法施行令3条の2第1項。2026年9月22日に、法令APIの新旧2つの版へ問いの形を3回変えて照会し、条の見出し・項の数・柱書の文言が一致することを確かめた)

条の見出しは「広告をすることができる診療科名」です。病院が掲げてよい名称を定めた政令であって、応募書類の書き方を定めたものではありません。

第1項は医業と歯科医業に分けて名称を定めており、医業の側には内科と外科のほか、次の並びが置かれています。

精神科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、病理診断科、臨床検査科又は救急科
(同項第一号ニ(1)。同じ日に、2つの版から別々の問いで取り出して文字列を突き合わせた)

同条第2項は、このうち産婦人科を産科または婦人科に、放射線科を放射線診断科または放射線治療科に代えてよいと定めています。同じ領域でも、施設が掲げる名称が割れうるということです。

ここから出てくる書き方の決まりは1つです。自分がいた科は、勤務先が実際に掲げていた表記のまま書いてください。読みやすさを理由に言い換えると、応募先が持っている資料と突き合わなくなります。

「急性期」は、資料が違えば指しているものが違います

千葉県の「病床機能報告制度(令和7年)」のページを、2026年9月22日に開きました。病棟の機能として報告される区分は、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4つで、基準日は2025年7月1日時点と書かれています。

入院料の区分は、別の資料に並んでいます。関東信越厚生局が公表している施設基準の届出受理状況で、届出項目別の名簿は入院基本料等と特定入院料に分かれています。

「急性期」は、この4区分のうちの1つの名前です。求人票や職務経歴書で使われる「急性期」が、この区分を指しているとは限りません。入院料の届出は別の資料にあり、同じ病棟でも分類の体系が違うからです。

職務経歴書では、資料の名前を添えて区分名をそのまま写すほうが確実です。報告されていた機能なのか、届け出られていた入院料なのかを、書いた側が示せます。

同じ資料を応募先の側について開くとなぜここを選んだのかを公表された欄から立てる記事の材料になります。そちらは、公表が制度で義務づけられている理由から書いています。

千葉県なら、いまの勤務先の欄も同じ資料で開けます

ここまでの語が使えるのは、応募先を調べるときだけではありません。あなたがいま働いている病院も、同じ資料に載っています。

自分の勤務先の行を開けば、職務経歴書に書く語がそのまま出てきます。記憶から起こすより速く、書いたあとで確かめ直すこともできます。

編集部の手元にある千葉県の資料は、病院についてのものに限られます。診療所・訪問看護ステーション・介護施設・保育所は入っていないため、そこで働いた経歴は同じ手順ではたどれません。県内の病院については県の資料に載っている病院をたどる入口に、地域ごとの並びを置いています。

派遣で働いた期間がある人は、雇い主と働いた場所が分かれます。どちらをどう書くかは雇い主と働いた場所が別になる期間の扱いにまとめました。

求人の紹介文が、ここまでに挙げた公表資料の語で書かれているとは限りません。書類ができていない段階で登録しても、直せる語が増えるわけではありません。

よくある質問

看護師の職務経歴書に決まった様式はありますか?

ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」のページを開いた範囲では、ありませんでした(2026年9月22日に編集部が確認)。置かれていたのは、作り方の資料と別冊ワークブックの2つです。応募先が様式を指定している場合は、その指示が先に立ちます。

職務経歴書は手書きとパソコンのどちらで作りますか?

編集部が開いた公的機関のページに、どちらにするかを指定する記載は見当たりませんでした。応募先の指定がないなら、区分名や数字を読み違えられない形を選んでください。編集部がそう勧めるのは、診療科名や入院料の区分が、表記の1つ違いで別の区分を指す語だからです。

ブランクや転職回数は職務経歴書にどう書きますか?

本記事が扱うのは、書いた経歴をどの語に直すかまでです。回数そのものがどこまで数えられているかは、別の記事で公的な集計をたどっています。

その数を尋ねている調査がどれなのかは経歴に並ぶ勤務先の数をたどった記事にあります。そちらは、平均という数字の出どころを先に見る側から書いています。

まとめ

  • 職務経歴書には欄の並びの決まりがなく、書き方の差は構成ではなく語の選び方に出ます
  • 診療科の名前は医療法施行令3条の2が定める名称で、産婦人科と放射線科は別の名称に代えることも認められています。勤務先が掲げていた表記のまま書いてください
  • 「急性期」は県の病床機能報告の4区分の1つで、入院料の届出は別の資料にあります。どちらの資料から写した語かを添えてください

制度の語がそろっていても、書類に何を求めるかは募集ごとに違います。提出の形式や必要な書類は、募集要項に書かれている指示を先に読んでください。

同じ5年でも、どの語で書くかで、読む側に残る情報の量が変わります。その語はすでに資料の上にあり、あなたが作り出す必要はありません。写す先を知っているかどうかだけの差です。


参考・出典

  • e-Gov法令検索「医療法施行令」(昭和23年政令第326号)3条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/323CO0000000326 (2026年9月22日に、法令APIの新旧2つの版へ問いの形を3回変えて照会し、条の見出し「広告をすることができる診療科名」・項の数2・第1項柱書・第1項第一号ニ(1)の列挙・第2項柱書・第2項の号の数2について文面を突き合わせた。数の表記が割れた1点は本文に書いていない)
  • 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」(職務経歴書について置かれているのは「職務経歴書の作り方」全体版と別冊ワークブック) https://www.hellowork.mhlw.go.jp/member/career_doc01.html (2026年9月22日に編集部が、配布物の一覧と職務経歴書の様式の有無について問いの形を変えて2回読み取り、一致を確かめた)
  • 千葉県健康福祉部医療整備課 地域医療構想推進室「病床機能報告制度(令和7年)」(報告される病棟の機能は高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4区分。2025年7月1日時点の現状) https://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/byousyoukinou/r7byousyoukinou.html (2026年9月22日に編集部が開いて確認)
  • 関東信越厚生局「保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況及び保険外併用療養費医療機関一覧」(2026年9月22日に開いた時点の表記は令和8年8月1日現在。都県別のほか、届出項目別の名簿が入院基本料等と特定入院料に分かれている) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/kijyun.html (2026年9月22日に編集部が開いて確認)
  • 検索結果の実測(ラッコキーワードMCP。2026年9月22日に編集部が「看護師 職務経歴書 書き方」の上位10件について、ページの種類・見出し・タイトルを取得した)
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